2.5次元ミュージカルなどで人気を集める俳優・三浦宏規。その引き締まった体はいかにして作られたのか。
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5歳のころからクラシックバレエをやっているので、体の土台はそこで作られていると思います。バレエに必要なのはしなやかで柔軟な筋肉で、それは基礎レッスンを地道にやることで身につきます。だから舞台を中心にお仕事をするようになった今も、必要な筋肉は稽古をする中で自然につくものだという感覚があるんです。そもそも稽古がハードなので、もう稽古=トレーニングですね。
たとえばミュージカル「テニスの王子様」の稽古は本当の部活みたいに筋トレや素振りもやるので、片腕に筋肉がつく。僕は左利きなんですけど、演じた跡部景吾(あとべけいご)は右利きなので、バランス的にちょうどよくなったと思います。
一番キツかったのはミュージカル「刀剣乱舞」ですね。特に先日までやっていた、僕が演じる髭切(ひげきり)と、高野洸(あきら)さん演じる膝丸(ひざまる)が主演の「髭切膝丸 双騎出陣 2019 ~SOGA~」は、殺陣、ダンス、芝居と、朝から晩まで10時間以上稽古があるんです。13日の稽古期間で体重が4、5キロ落ちました。初日と千秋楽でも全然シルエットが違いましたね。
作品ごとに体の形が変わるので、これから「レ・ミゼラブル」の地方公演に入ると、また違う形になると思う。僕もその変化を楽しんでいます。
だから特別なトレーニングはしませんが、暇さえあればずっとストレッチをやってますね。怪我をしないようにするのもあるけど、気持ちがいいんです。睡眠時間にも気を付けていて、ベストは8時間。もともと酔って騒いだりするのは嫌いなので、友だちとご飯に行ってもすぐに帰りたがります(笑)。
新しいことに挑戦するのは不安もあるけど嫌いじゃない。今回の撮影も恥ずかしかったですけど、楽しかった。これからも天井は作らずに、視野を広く取り組んでいきたいですね。
(構成、ライター・大道絵里子)
※AERA 2019年8月12・19日合併増大号