(写真はイメージ/GettyImages)
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 さて、サンディエゴに長期滞在している私は先日、人生で初めて時計を1時間進めるということを経験しました。デイライト・セービング・タイム(Daylight Saving Time:DST)のことであり、サマータイムとも呼ばれています。毎年3月の第2日曜日から11月の第一日曜日の間、時計の針を1時間進める制度のことで、日照時間が長くなる時期に時間をずらすことで自然光の使用率を高め、電力を節約することが目的とされているようです。

 サマータイムの始まりはSpring Forwardといい、春は針を前に進める、つまり時計を1時間進めることで時間を変更します。サマータイムの終了はFall backといい、秋は針を後ろに戻す、つまり時計を1時間戻すことで時間を変更するという仕組みです。

「そろそろサマータイムになるよ」と聞いてはいたものの、いまいち理解できていなかった私がまず驚いたのは、壁掛け時計とスマートフォンの時間のずれでした。3月12日の朝、部屋の時計は8時を指しているのに、枕元においていたスマートフォンの時計は7時と表示されている事態に、私の頭はしばし混乱してしまいましたが、目が覚めてきてようやく「これが時間を早めることなのか」と理解することができたのでした。

 しかし、サマータイムに身体が慣れるのはそう簡単ではなかったのです。起床時間を1時間早めるだけじゃないかと思うかもしれませんが、これが私にとっては想像以上に辛く、移行後1週間ほど、起床することができない状態が続きました。夜も、21時には眠たくなる日もあれば、翌日は23時を超えても眠れなくなるなど、時間を1時間早めるだけでこんなにも身体に影響が出ることを、身をもって体験することになったのでした。

 サマータイムに移行することで、暗くなる時間が1時間遅くなります。そのため、勤務後も明るいうちから自由時間を多く取ることができ、外出しやすくなるというメリットがあります。その一方で、サマータイム移行に伴う健康影響は多数報告されており、標準時間と夏時間の移行の問題についてアメリカでは激しい議論が繰り広げられてきたようです。

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