将来の夢は考古学者か学芸員。地元・石岡市にある東日本で第2位の大きさを誇る「舟塚山古墳」はまだ発掘調査されていないので、その発掘に携わりたいという。ヨスミナミさんにとって古墳とは?

「永遠の片思いです。だって、応えてくれないじゃないですか。私が一方的に愛を伝えているだけです(笑)」

「かわいい」とか「片思い」だとか、古代の権力者の「墓」になぜ若い女性が惹かれるのか。

 そこで、日本でただ一人の「古墳シンガー」、まりこふんさんを訪ねた。

 埼玉県生まれの自称「1500歳」。現在の古墳ブームに火をつけた立役者でもある。

「カジュアルに楽しめるのが古墳の魅力。私は、古墳の追っかけをしている感じです(笑)」(まりこふんさん)

 もともとシンガー・ソングライターとして活動していて、15年ほど前、大阪公演中に初めて訪れた仁徳陵古墳の大きさに衝撃を受け、古墳にハマった。

 以来、墳活を始め、古墳から湧いてくるインスピレーションで歌をつくった。やがて各地の古墳イベントに呼ばれるようになり、「古墳シンガー」に。ステージから「皆さ~ん、古墳にコーフンしてますか!」と叫び、歌を披露。古墳の魅力を熱く語った。すると、「実は私も古墳が好き」とカミングアウトする女性が次々と現れた。「古墳が好きと言うと『暗い』と思われがち。大きな声で言えなかった人が、こんなにいる」と知った。

 古墳をゆる~く楽しみたいと2013年、「古墳にコーフン協会」を設立、会長に就任した。会員は30~40代の女性を中心に全国に350人超。まりこふんさんによれば、会員たちが古墳にハマったきっかけは「歴史が好き」「古墳グッズを好きになって」など、さまざまだ。

「楽しみ方も人それぞれ。誰が埋葬されているのか想像を巡らせたり、古墳関係のグッズや食べ物を買うのも楽しみという人もいます」(同)

 山梨県に住む阿部みどりさん(37)は、古墳好きが高じて古墳グッズをつくっている。

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