しいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
しいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
写真はイメージ(写真:gettyimages)
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:旅先でお土産を買うのが苦手です。いろんな人の顔を思い浮かべて、結局何も買えなくなります。この前も京都に行ったのに、何も買わずに帰ってきました。うちの母親は、昔から「お土産はいらないからとにかくあなたが楽しんで」という人でした。その教えに感謝してきましたが、社会人なのにいいでしょうか。(女性/会社員/54歳/おとめ座)

A:GW中、同じようにお土産問題に悩まれた方も多いでしょうか。観光地のお土産は特にハードルが高いですよね。京都に行って八つ橋を買ってくることが、正解なのか不正解なのかわからない。みんな食べたことあるだろうし。

 Amazonと楽天の出現によってすべてが変わったと思うんです。それらがまったくなかった時代って、ハワイのマカダミアナッツのありがたさって今と全然違ったと思うんですよね。今は流通網が進化して、欲しいものがあれば自分で注文できてしまう。

 さらに、これはいかにも日本っぽいお悩みだなって思います。欧米だったらこういう悩みはなさそう。みんなに等しく与えられた権利として「休み」があるわけだから、プライベートでどこに旅行に行こうが関係ないし、お土産を買ってこようがこまいが関係ない。一方で日本的な宗教観の一つに「おかげさま文化」っていうのがあります。誰かが自分の仕事をカバーしてくれるから旅行に行ける、みなさんのおかげで元気に旅ができました、という考えです。

 作戦の一つとしては、どこに行ってもお土産は棚にいちばんたくさん積んであるものを買う、とあらかじめ決めてしまう。それで、みんなに渡すときは「ごめんなさい、これしか売ってませんでした」「最後、時間なくて」と言いましょう。

 旅先でいろんな人の顔を思い浮かべてしまうって、非常に心の優しい人だと思うんですよ。でも、他人の顔がプレッシャーになってしまって、せっかく旅に行っているのに、恐怖みたいになっちゃってる。あなたの場合、お母さんの教えに従って、お土産は買わないときっぱり割り切ってしまってもいいのかもしれません。

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しいたけ.

しいたけ.

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

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