ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
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(c)朝日新聞社
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 経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。

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 新元号が決まりました。実に喜ばしい時に連載が当たりまして光栄であります。ちょっとびっくりしたのは、万葉集が原典になっている、ということで、日本古来の価値観を大事にした……的な報道が多いことです。え、まじ!? 欧米のメディアにもそういう論調があるようです。

「中国の書ではなく日本の書を使うという判断は、安倍保守政権の国粋主義的傾向と結びついているように見える」(英デイリー・テレグラフ)
「元号のインスピレーションを得るのに日本の書を選択したことは、明らかに、安倍首相の保守的政治基盤へのアピールだ」(米CNN)

「令和」が万葉集を典拠としたとしても、それで「脱中国」を果たしたことにはならないと思いますし、それは本筋を逸脱した議論でしょう。

 万葉集の重要さは「中国文明に圧倒的な影響を受けながらも、それでもなお独自の価値大系を表現して見せた」ということにあり、見ればわかる通り、使われている文字は中国語そのものです。

 逆に、あえて書くけれども、当代日本で一定の社会的地位にある人々に最も貧しいものの一つは、「漢学の素養」だと思う。これは中国共産党体制に賛成か反対かという問題ではなく、「漢字を使う文化圏」ではある意味当然必要な素養と言えます。

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