最近ではブラジルや中東でも発売。韓国ではテレビドラマに登場するほど人気だ。

「シルバニアはどこの国に持っていっても売れる手応えを得ました」(川島さん)

 世界で受け入れられるポイントは「動物の人形」であることに加え、その「かわいさ」にあると川島さんは言う。擬人化した動物はリアルすぎず、かといってデフォルメしすぎてもいけない。その絶妙なバランスが大事で、なかでも重要なのが顔だ。動物の顔は凹凸があるため難しく、何回も試作し、既存の顔も少しずつ変えている。

「新作で出せるのは年に1家族か2家族がやっとです」(同)

 さらに興味深いことに、動物の好みは欧米とアジアでは違う。ウサギはどの国でも人気だが、アメリカでその次に売れるのはハリネズミで、リスは人気がない。これに対し、アジアではリスやネコが人気だ。国に応じて商品開発をしていた時期もあったが、今は全世界共通で販売する。エリアは60以上の国と地域にわたり、海外の売り上げはいまや全体の8割を超える。(編集部・石田かおる)

※AERA 2019年4月1日号

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