■書店員さんオススメの一冊
『職場の人間関係に悩む、すべての人へ 天才を殺す凡人』は人間関係や組織を見直すことで、成長の契機となる一冊だ。八重洲ブックセンターの川原敏治さんは、同著の魅力を次のように寄せる。
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学生の頃、法学部の講義で憲法や人権とは要するに「変態」を護(まも)るためのものだと聞いた記憶がある。それは、世間ではなかなか理解・受容されにくい少数者であっても「個人として尊重される」という意味だった。
ポルノグラフィー、フェミニズム、クィア理論に通じた論客が、性欲と社会の間に生じる摩擦の具体的な事例を題材に語り合う本書は、人権思想のひとつの帰結として現代社会に広まりつつある「ポリティカル・コレクトネス」の理念と運動を検証しながら、真に「個人として尊重される」とはどういうことかを掘り下げる人権保障論として読める。
「してはならない」と「したい」の間で、私たちはどのように生きることを望むのか。
人と同じでないことを恐れるな! 欲望をめぐる賢人会議は「個人」をエンパワーする。
※AERA 2019年3月11日号
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