ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
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(c)朝日新聞社
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 経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。

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 偶然なのかどうなのか、レオパレス21とタイミングを一にして出てきたのがスルガ銀行事件であります。

 ま、地方銀行は相応に公的な役割を担っていることもあり、こちらの方がインパクトが大きいかもしれません。恐らくこのスケールの銀行が破綻して日本経済がどうにかなることはないのですが、俺の地元の銀行もそうかもしれない、と疑心暗鬼にさせられるという意味では影響は大きいかもしれませんね。得てしてこういうところから取り付けが起こり、監督官庁は実は何もできないことが北拓や日債銀の破綻時にも実証されておりますしね。

 2月13日、共同通信がこう報じていました。

「スルガ銀行の行員がデート商法詐欺まがいの行為に関与し、個人向けローンを融資していた疑いがあることが13日、関係者の話で分かった」

 美人局(つつもたせ=男性のこともある)がデートし、思わせぶりな言動をとり、その気にさせた相手に「あなたと一緒に住むための家が欲しい」とか「二人の将来のことを考えて利回り物件を購入しよう(不動産投資をしよう)」とか言って不動産を購入させ、スルガ銀行でローンを組ませ、スルガは実績欲しさに審査がばがばの融資を行う、という実に元も子もない話なわけですね。

 まあ、この美人局がスルガ銀行の行員だったなんていうとまた別のおかしみがあるわけですが、ポイントは、こんなやり口で融資を積み増していたスルガを、収益モデルとして見習え!と檄を飛ばしていた森信親前金融庁長官の存在であり、更にオーナーである岡野光喜前会長が経営の天才とか、お手本とか言ってメディアに取り上げられていたことでしょう。経営の天才の実績は詐欺話といい加減な融資で築き上げられていて、それに金融庁長官がお墨付きを与えていたわけですから、笑えない、というレベルを超えて、もはやジョークです。

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