田中貴金属や三菱マテリアルで積み立てた地金は、その日の金価格で換算して、店頭でジュエリーと等価交換できる。投資の果実を身につけて楽しめるのは金投資ならでは(撮影/写真部・大野洋介)
田中貴金属や三菱マテリアルで積み立てた地金は、その日の金価格で換算して、店頭でジュエリーと等価交換できる。投資の果実を身につけて楽しめるのは金投資ならでは(撮影/写真部・大野洋介)
ジュエリーのほか、工芸品との交換も可能。取材当日は純金の雛人形(税込み38万2900円)が展示されていた。資産性の高さで、両親や祖父母からのプレゼントとして人気(撮影/写真部・大野洋介)
ジュエリーのほか、工芸品との交換も可能。取材当日は純金の雛人形(税込み38万2900円)が展示されていた。資産性の高さで、両親や祖父母からのプレゼントとして人気(撮影/写真部・大野洋介)
主な純金積み立てサービスの年会費と手数料(AERA 2019年2月25日号より)
主な純金積み立てサービスの年会費と手数料(AERA 2019年2月25日号より)

 資産としての金の人気が高まっている。その販売量は前年比約4割増。背景には国際情勢や老後への不安などがあるとされているが、金を所有すること自体にも、他の投資にはない魅力がある。

【主な純金積み立てサービスの年会費と手数料はこちら】

*  *  *

 積み立てを開始してしばらくすると、あなたが持っている金の量は当然ながら増えてくる。増えた金を、金貨やインゴット(いわゆる金の延べ棒)に交換して所有欲を満たせるのも金投資の醍醐味だ。金貨の重さはトロイオンスで表され、10分の1、4分の1、2分の1、1トロイオンスといったさまざまな重量がある。1トロイオンスは31.1035グラムだ。

「複数枚の1トロイオンス金貨に交換しておいて、『今月は金貨を1枚売って、海外旅行やゴルフの足しにしよう』という使い方をする人もいます」(田中貴金属工業・貴金属リテール部長の加藤英一郎さん)

 紛失や盗難には気をつけたいが、こういう取り崩し方も金ならではの楽しみだろう。金貨やインゴット以外では、店頭で売っているジュエリーや工芸品との等価交換ができる。ジュエリーとの交換を楽しみに積み立てている女性投資家も多い。

 相続税対策として純金の仏具を購入するケースもある。仏具は「実際に供養のために毎日使っている」などの条件を満たすと非課税になるからだ。非課税の条件についてはかなり厳しいので、事前に管轄の税務署に確認しておきたい。

 資産になる投資といえば、アンティークコインも人気だ。金投資よりさらに趣味の色合いが強くなるが、コレクション欲を満たしつつ長期で値上がりも期待できるのがアンティークコインの世界である。地金価格の高止まりと希少性により、過去に収集した記念金貨で含み益が発生している収集家は多い。

 アンティークコインは一般向けのコイン展示会やネットオークション、コインショップで購入できる。価格は安いもので1万円台。ただ、ネットオークションサイトや個人間売買サイトは誰でも出品できるため偽物をつかまされる心配がある。コインの状態の良し悪しが価値を決めるだけに、やはり実物を確認してから購入したい。

著者プロフィールを見る
中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

中島晶子の記事一覧はこちら
次のページ