この人は消費増税分で約8万円赤字になる計算ですから、給与が上がらなければその分をどっかの消費で削らなければなりません。280万円の消費は月々にして約23万円。家族4人の食費を1日2千円としたら、他に使えるお金はもう月17万円しかない!! この中で教育費その他をやりくりし、しかも8万円を捻出する。これはもうアクロバットに近く、生活必需品以外に消費をしようなんて考える余裕すらない数字です。
ここで考えているのは基礎的生活費にかかる消費税で、人間1人が食べていく必要経費というのは年収400万円だろうが、1億円だろうがそう変わりません。1億円の人は多少余裕があるとは思いますが、相対的な消費税の負担率・痛税感ははるかに少ない。
年収1億円以上の人は約2万人で、就業者のわずか0.031%。この人たちがほとんど痛まず、年収400万円程度の大多数の給与所得者を直撃する消費税。GDPの60%を占める個人消費に大打撃を与えて経済成長する方が不思議です。それでも消費増税を許容し、GDPの15%にすぎない貿易に力を入れるべきだとの意見に賛成されますか?
※AERA 2019年2月11日号