日本陸上競技連盟のU20投てき部門コーチの秋本純男氏(43)が、教員を務める宮崎の高校で複数の女子陸上部員にセクシュアルハラスメント行為を繰り返していた疑いが発覚した。アエラが入手した部員の証言からその悪質な実態が浮き彫りになった。
※「『強くなるには恋愛以上の関係必要』日本陸連コーチにセクハラ疑惑」よりつづく
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我慢の限界に達した女子部員は18年夏、母親に陸上部をやめたいと全てを打ち明けた。ここで判明したのは、まさに驚くべき事実だった。
「母が怒って先生に電話してからは、しつこかったLINEもパタリとやみました。ただ母の様子が少し変だったので問い詰めると、私が1年生の後半のころ先生から『愛人になれ。オリンピック強化コーチの愛人になれるのはすごいぞ』と口説かれたというのです。私たちには恋愛するなと言うくせに、自分は奥さんがいるのに部員の母親を誘うなんて異常じゃないですか」
自分だけならと我慢していた女子部員は、秋本氏が母親にまで手を出そうとしていたことに憤慨。仲の良かった卒業生に相談したところ、さらなる事実に仰天することになる。
寮生として3年間、秋本氏の自宅に住まわされていたこの卒業生は、もっとひどいことをされていたのだ。彼女も、「今後二度と後輩たちが被害に遭わないために」と、当時のことを証言してくれた。
「寮といっても先生の家の鍵のかからない6畳間に先輩と2人で住んでいました。普段から、先生に抱きつかれることがよくありました」
1年生の秋ごろ、夜の練習が終わり1人でいるところを秋本氏に呼び止められたという。
「普段と同じように両手を広げて抱きつかれて。『いや、大丈夫です』って断ると、その日はとにかくひどかった。首筋とかにキスされたり、下着の中に手を突っ込まれて触られたり。そういう経験が全くなかったので何が起こってるのかわかんなくて。先生は力が強いし、体もでかくて怖いし。時間がどのくらいかわからないけど、とても長く感じました」