13年の「ネット選挙」解禁に伴い、公職選挙法は「虚偽事項公表罪」や「氏名等の虚偽表示罪」などで、ネット上で候補者に関する虚偽の事実を流したり、ゆがめたりすることを禁じている。だが、匿名のツイッターを中心に、怪文書まがいの真偽不明のネガティブキャンペーンが各地の選挙でまかり通っているのが実情だ。さらに深刻なのは、今後実施が検討される「憲法改正に伴う国民投票」への影響だろう。

 ネット上の選挙運動や有料広告については公職選挙法で細かく規制されているが、国民投票で憲法改正案への賛否を呼び掛ける運動は、原則誰でも自由に実施できる。ラジオやテレビの広告放送に一部制限はあるものの、ネットの有料広告については制限がなく、投票日当日もソーシャルメディアや電子メールを使って賛成や反対を働きかけるのも可能だ。松田さんはこんな懸念を示す。

「国民投票が実施されれば賛否両派の広告合戦になるのは確実で、そうなると資金力が豊富なほうが有利になります。虚実混在した情報の氾濫とともに、広告の刷り込みで国民を洗脳状態に陥らせるようなキャンペーンは自粛すべきです」

 一方、前出の前嶋教授はこう唱える。

「日本の政治とソーシャルメディアの関係を考えるとき、憲法改正の国民投票は最大の試金石になるでしょう」

(編集部・渡辺豪)

AERA 2018年12月3日号

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