バスケにも仲間にも誠実に向き合う、陽一役と重なるところがなくもない、と笑う。
「普段の自分は……どうなんでしょう。ごく普通だと思います。無口でもなければ、すごくしゃべるわけでもない。ただ“気ぃ使い”なので、けっこう周りに合わせてしまいますね。兄と姉がいるので、根は末っ子気質なんです」
未来を想像するより、そのとき目の前にあるものを全力でやる、が信条だ。
「トランスジェンダーの役もゲイの役も、自分のキャパシティーを超えたところで僕を見てくださっている方がいて、いろいろな役柄を創造してくれる。それがこの仕事のおもしろさでもあります。これからも全力で、求めていただいたことに応えたいと思っているんです」
(ライター・中村千晶)
※AERA 2018年11月5日号