フィギュアスケートの新シーズンが本格的にスタートする。今季の目玉はルール改正。羽生結弦、宇野昌磨、宮原知子、紀平梨花……。男女とも層の厚い日本勢はどう戦うのか。
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熱狂の平昌五輪から8カ月。フィギュアスケートの新シーズンが、10月20日(日本時間)からのグランプリ(GP)シリーズで本格的に開幕する。
今季最大の見どころは、「大幅なルール改正」だ。この改正にどう対応し、技術をどう磨き直してくるかが、各選手に問われている。最も演技に影響がある変更点は、技の出来栄え(GOE)の加減点が「±3」から「±5」へ広がったこと。難しい技に挑むかどうかよりも、いかにミスなく質の高い演技をするかが、より重要になった。選手の演技傾向が変わり、新たな下克上も生まれることになる。
日本男子は、依然として羽生結弦(23)と宇野昌磨(20)の2強時代が続きそうだ。羽生は、初戦オータム・クラシックを優勝で飾った。しかしジャンプをミスしたあとのリカバリーをアドリブで対応できなかったことや、スピンでの失点も多く、得点は260点台。新ルール対策という課題を残した。
「点数については、ふがいないです。オリンピック後に消えていた部分に火がつきました。とにかく今は『勝ちたい』という気持ちしかない。最短で強くなります」
11月のGPフィンランド大会に向け、気合十分だ。
宇野はすでに今季2戦を終え、まずまずの滑り出しだ。9月のロンバルディア杯では276.20点をマーク。今季から新たにカウントされる歴代スコアでは、GP開幕を前に世界最高点をマークしている。また10月6日に行われたジャパンオープンでは、フリーで186.69点と、ロンバルディア杯のフリーを超える高得点をマークした。
「今季は今まで以上に、質の良いジャンプを意識して練習しています。『ただ跳べたから次のジャンプの練習』ではなく、『質の良いジャンプが跳べてから次』という練習方法にしています。質が良いジャンプとは、見ていた人が『ああっ』ではなく『おお~』と言いたくなるイメージ。着氷で流れることが大前提で、僕がよくやる右手が動くクセや、上半身が外を向いて耐えるような降り方をしないよう、意識して練習しています」
五輪では銀メダルを獲得したが、スケートへのモチベーションは変わらないという。