──将来、自分が親になることや妊娠、出産について現実的に考えたりしましたか。
そうですね……。もちろん撮影の現場に実際に新生児の赤ちゃんに来てもらったときに「かわいいな」とか思いましたけど、まだこの年齢(16歳)ですし、現実に私が妊娠して出産してお母さんになってという工程をたどる想像力がまだなくて。(出産や子育ての)苦労を計り知れないうちは、気軽に「子どもが産みたい」とか言えないなっていうふうに今は感じています。
──21日の放送が最終回です。
最終回ではあるんですけど、産婦人科にはもっとさまざまな問題がありますし、「最終回」とか「クランクアップ」とか、そういう言葉が遠い存在に感じる作品だなと思っています。最終回を見終わった方々に、生きることや命について、そしていろんな事情を抱えて生きている人がいるということを、知ってもらえたらうれしいです。
──知ることで何かが変わると思いますか。
知れば考え方とか世界が広がるというふうに思うし、手の届く範囲で思いつく“できること”があると思うんです、簡単なことなら電車で子連れの方や妊婦さんに席を譲ったり。その程度のことをみんなができたら心地いいし、少しは生きやすく、大変じゃなくなるのかなと思うんです。
(構成/編集部・深澤友紀)
※AERA 2018年9月24日号