ピョートル・フェリクス・グジバチ/ポーランド生まれ。2000年に来日し、ベルリッツ、モルガン・スタンレーを経てグーグルに入社。15年に独立し、未来創造企業プロノイア・グループ代表取締役(撮影/写真部・片山菜緒子)
ピョートル・フェリクス・グジバチ/ポーランド生まれ。2000年に来日し、ベルリッツ、モルガン・スタンレーを経てグーグルに入社。15年に独立し、未来創造企業プロノイア・グループ代表取締役(撮影/写真部・片山菜緒子)
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まずは自己認識からスタート(AERA 2018年9月17日号より)
まずは自己認識からスタート(AERA 2018年9月17日号より)

 アメリカのビジネス誌フォーチュンの「働きがいのある会社ベスト100」で2012年から6年連続で1位を獲得した米グーグル。同社は12年から実施する調査「プロジェクト・アリストテレス」で、生産性の高いチームの五つの特性を明らかにした。それが、(1)チームの心理的安全性が高い(2)チームに対する信頼性が高い(3)チームの構造が明瞭(4)チームの仕事に意味を見いだしている(5)チームの仕事が社会に対して影響をもたらすと考えている――だ。

【図】まずは自己認識から…モチベーションを高めるステップとは

 グーグル流のチームづくりの方法について、『世界最高のチーム』の著者で、同社でアジア・パシフィック人材開発部門ヘッドなどを歴任したピョートル・フェリクス・グジバチさんに聞いた。

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 五つの中でも最も大切なのは(1)の「心理的安全性」です。メンバーが安心して何でも言い合うことができ、自分らしさを発揮しながら働けるチームは生産性も高まります。

 自分らしく働くためには、まず「自己認識」が大切です。自分がどんな人間で何をしたいのかをはっきり自分で認識することが「自己実現」への第一歩となるのです。ただ、「そんなのない」「わからない」と言う人も多い。そこで鍵を握るのがマネジャーの存在です。

 グーグルではマネジャーは週に1度、メンバー全員と「1on1(ワンオンワン)」と呼ばれる一対一の面談を1時間ずつ行っています。仕事の話もしますが、決して業務の進行状況を確認するだけの場ではありません。質問をしながら、メンバーが自分のやりたいことや大切にしたい価値に気づく機会をつくっていきます。

 自己認識ができたら、それをほかのメンバーに「自己開示」し、さらにさまざまな形に表して「自己表現」する。例えばペーパー1枚に「ライフストーリー」をまとめて公表するなど自己表現することで、協力者や応援してくれる人が出てきます。自分が肯定されていると感じると「自己効力感」が高まり、モチベーションも高まるのです。

 ちなみに、グーグルでは1人のマネジャーに対し、チームメンバーは7人以内とされていました。これ以上人数が増えると、1on1が1日で終わらなくなってしまいますからね。

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