タカラトミーの「リカちゃん」「トミカ」「チョロQ」は息の長い人気商品だが、株主に贈られるのは非売品。レア感が熱心な収集家の心をくすぐるのか、ネットオークションで1万円を超える値が付くこともある。ずっと持っていれば株式以上にお宝的な価値が出てくるかもしれない。

(12)伊藤園は普通株と第一種優先株を100株ずつ持つのがおトク

「お~いお茶」の伊藤園は2000円を超える東証1部上場企業の中でただ1社、普通株と優先株の2種類の株式が上場している。

 優先株は議決権がない代わりに配当は最低15 円が約束され、常に普通株よりも25%多い金額が支払われるルールになっており、両者は別の金融商品だ。このため、伊藤園の優待は普通株と優先株でそれぞれ別々に株主名簿を作っている。

 ともに優待の内容は同じで、100株でも200株でも優待が増えない点も同じ。ということは、同種類の株を200株買うよりも、普通株と優先株を100株ずつ買って優待を2倍にしたほうがいい。

(13)ホテル宿泊優待が欲しいならREIT優待も狙い目!

 上場不動産投資信託(REIT=リート)でも、投資主(株主)への優待制度がある。大和ハウスリートはグループの旧ダイワロイヤルズホテルズの27 カ所を割引価格で利用できる優待券がもらえる。ホテル優待券を贈呈するのは大江戸温泉リートをはじめ、やはりホテル系のリート銘柄に集中している。

(14)年末のごあいさつ、富士電機は全株主に自社カレンダー

 優待の対象は証券取引所での最低売買単位である100株とする企業が多い。しかし、富士電機は株式分割などの端数として出た1株単位の株主を含めた全株主に、律儀に自社カレンダーを贈っている。かつて富士通も「世界の車窓から」のカレンダーを送っていたが、今では応募制に。

(15)株価爆騰狙いなら2部か新興市場。アイモバイル、串カツ田中…

 株価の値上がりも大事な優待投資家は、東証2部やジャスダックなどの新興市場株を狙いたい。東証1部昇格が決まれば株が急騰するためだ。優待を新設したアイモバイルや優待拡充の串カツ田中ホールディングスが有望。

(経済ジャーナリスト・大場宏明、伊藤雅浩)

※別冊アエラ『大人の株主優待ランキング』より加筆・再構成