

圧倒的な人手不足を背景に、フリーランスの人材活用が活発化してきた。優秀な「外の力」を最大限に生かす企業の秘訣とは?
【写真】ガイアックスのミーティングの様子 この場の会話が新たな仕事に…
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ネットサービスのガイアックス(東京都千代田区)ソーシャルメディアマーケティング事業部では、2015年から外部人材の活用を本格化。きっかけは、事業が急拡大し「土日休めればラッキー」というほど深刻化した人手不足だ。そこで、資料作成といった事務作業を切り出してアウトソーシングし、デザイナー、コンサルタントなど専門人材の力も借りるようになった。
しかし、当初はうまくいかないことも。とあるマッチングサービスを使って見つけた沖縄の専門職とやり取りをした時のこと。スカイプで面談した時は、ハキハキとした元気な受け答えが印象的な人だった。が、次第に2日、3日と納品が遅れはじめ、やがては連絡が取れなくなってしまった。
いかに質の高い人材と関係性を構築するか。そこで知人の紹介などで信頼できるフリーランスを探し、徐々にその仲間内に「ガイアックスと仕事をすると楽しい」と口コミを広げてもらうことを目指した。注力したのが徹底してフリーランス側の不満を聞き取り、解消することだ。同事業部長の管大輔さんは言う。
「フリーランスの方と話すと他社との仕事の愚痴がたくさん聞けるので、その逆のことをすればうまくいくんです」
例えば、15年からオンライン秘書として働く山田夕紀さんとの間で採り入れられているのが「要望改善シート」だ。「納期に無理がある」「この作業は見積もり以上に時間がかかった」など細かな不満を逐一聞き取り、解決した。山田さんは言う。