「アートは見る人によってとらえ方が違っていいんだ、ということがわかりました。美術館に行くこともなかった私が、慎吾くんの作品だけでなく、気づけば長い時間見つめていた作品もあった。慎吾くんのアートによって、私も『新しい地図』がスタートしたような気がします」
香取の芸術活動はほかにもある。日本財団パラリンピックサポートセンター設立時は記念壁画を制作。カルティエの時計「タンク」からインスピレーションを受けた作品や、BMWとコラボレーションした「X2」のカーラッピングなども発表した。
キュレーターの川勝小遥さんは言う。
「香取さんの活動はアート界の固定観念を崩すことになり、アーティストを目指す人たちに新たな選択肢を与えるでしょう。彼の『絵を描きたいから描いている』という潔さが、アートは“人々に豊かさを与える”ものであることを思い起こさせます。トップアイドルであり、アーティストとしても活動する香取さんが日本からパリへ繰り出すなど、今後も動向が楽しみでなりません」
(文中一部敬称略)(フリーランス記者・坂口さゆり)
※AERA 2018年6月25日号
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