記者会見で山口達也さんは涙ながらに謝罪する一方、「アルコール依存症なのでは」との指摘を繰り返し否定した(撮影/写真部・松永卓也)
記者会見で山口達也さんは涙ながらに謝罪する一方、「アルコール依存症なのでは」との指摘を繰り返し否定した(撮影/写真部・松永卓也)

 強制わいせつ容疑で書類送検され、起訴猶予処分となったTOKIO元メンバーの山口達也さんが、所属するジャニーズ事務所との契約を解除された。本人と残された4人が別々に開いた謝罪会見で浮き彫りになったのは、以前から指摘されていた「酒」を巡る問題だった。

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 黒いスーツに黒いネクタイ。ゴールデンウィーク直前の4月26日、都内のホテルの宴会場に300人近い報道陣を集めた46歳の男は、おびただしいストロボの光とシャッター音が続く中、約30秒にわたって頭を下げ続けた。アイドルグループTOKIOメンバー(当時)の山口達也さん。会見中もか細い声で終始涙目で、マッチョなイメージは完全に封印していた。しかし、泣いて謝っても、2児の父親である彼が、女子高校生を自宅に誘い込んで無理やりキスを迫った強制わいせつ事件が、消えてなくなることはない。

 この日、本人に先立って事実関係の説明を行ったジャニーズ事務所の顧問弁護士によると、事件があったのは今年2月12日で、本人が「事件」として認知したのは警視庁から連絡のあった3月末だったという。この後、本人がとつとつと説明した事実関係は、要約すると次の通りだ。

 肝機能数値が悪化し、健康管理のために1カ月入院して仕事に通っていたが、数値も改善したので医師と相談のうえ、この日に退院して仕事に向かった。朝のうちに仕事を終え、久しぶりに自宅に帰り、部屋の片づけをしているうちに焼酎を飲み始めてしまい、夕方までにかなりの量を飲んでしまった。酩酊(めいてい)に近い状態になり、被害女性に電話をかけ話をするうちに、うちに来ないかと誘った。女性に友人を連れていってもよいかと聞かれたので承諾し、自宅に未成年女性2人を招き入れた。その後何をしたかはほとんど覚えておらず、起きたときには女性は2人ともいなくなっていた。警察から連絡があるまで女性らから連絡はなく、事件を起こしていた自覚はなかった。女性を呼び出したのは午後8時ごろだと警察から聞かされ、それだけでとんでもないことをしたと反省している。

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