竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長。
竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長。
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世界中から人財を求めてます(※写真はイメージ)
世界中から人財を求めてます(※写真はイメージ)

「コンビニ百里の道をゆく」は、47歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 このグローバル化時代、企業で働く「人財」に国籍は関係ありません。優秀な人がいれば、世界のどこからでも採用する。新卒でも同じです。昨年、ローソンでは海外での新卒の現地採用を行い、韓国で5人を採用しました。

 もともと、ローソンでは留学生を多く採用しており、今年も新卒の約15%はアジアを中心とした海外からの留学生です。日本に住み、日本の企業に応募してくる留学生は、相当なグローバル精神とガッツがある。過去の働きぶりからも、それは明らかです。ならば、今度はこちらから海外に出向き、優秀な人財を見つけてこようと、昨年は韓国での現地採用にチャレンジしました。

 韓国にはクルーの研修所があるうえ、文化としてコンビニが広く浸透しています。日本はコンビニの本場だという認識があり、日本のコンビニ産業で働いてみたいという大学生の需要もある。初年度なのに108人もの応募があり、現地での1次面接、2次面接、適性検査を経て、日本での最終面接を通過した優秀な5人がこの春、入社しました。

 応募資格は日本語検定1級を持っていること。日本人や留学生と同様に仕事をしてもらうので、日本語力は必要です。ただ、それ以外は求める人財像は同じ。異なった風習や価値観と照らし合わせながら、日本での常識とは違う視点でどんどん意見を発信してほしい。

 多様な価値観がぶつかり合う。そして新しい価値が生まれる。これこそが、ダイバーシティーの醍醐味だと期待しています。そういう姿勢を見て、会社にダイバーシティーの意識が育つことも望んでいます。

 今年度はベトナムでの現地採用も予定しています。現地の超一流大学からの応募もあり、関心の高さがうかがえます。海外進出において、アジアは最重要地域。現地採用がうまく機能すれば、海外展開への足がかりにもなる。人財採用の間口は、これからもっと広げていくつもりです。

AERA 2018年5月14日号

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