配当もたっぷり。長期保有ならアメリカ株は怖くない!
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アマゾンやアップルはもちろん、アルファベット(グーグル)やジョンソン・エンド・ジョンソンなどは日本でも超有名!
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日本株と比べると、アメリカ株の安定と伸びは顕著
日本株と比べると、アメリカ株の安定と伸びは顕著

 株式投資、というと「トヨタ自動車」「ソニー」「資生堂」などの日本株をイメージする人が多いが、国内だけでなく、国外も投資先として注目したい。

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 オススメはアメリカ株。日本には上場していない、将来有望な優良株が目白押しなのだ。国外に投資する仕組みさえわかってしまえば怖がることは何もない。

 アエラ増刊『つみたてNISAとiDeco入門』から、アメリカ株の基本をまとめた記事を紹介しよう。

■60年以上、増配している株も

「アメリカの株というと難しそうなイメージを持つ人もいますが、実際はアップルやアマゾン・ドット・コム、フェイスブック、コカ・コーラなど、日本人にも身近な企業がたくさんあります」

 と話すのは、アメリカ株投資に詳しい資産運用アドバイザーの尾藤峰男さんだ。

 多くの人にとって株式投資の最大の目的は利益を得ることだが、アメリカ株はこうした点でも優位性が高いと話す。

「株式投資の利益は、保有している間は受け取り続ける配当金(インカムゲイン)と、株価の値上がり益(キャピタルゲイン)の2種類に分けられます。アメリカ株はインカムゲインの面で特に日本株より優れた銘柄が多いです」

 アメリカの上場企業は株主への還元を重視する傾向が強く、配当金を増やす「増配」を続ける企業が多いという。

「日用品大手のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は60年以上、ジョンソン・エンド・ジョンソンは50年以上、ペプシコは40年以上も増配を続けています。長期保有すれば配当だけで投資の元が取れてしまうことも」(尾藤さん)

 尾藤さんの試算によると、ジョンソン・エンド・ジョンソンの株を2000年に購入していた場合、株価は約2.5倍にまで値上がりしている。しかも増配を続けているため、配当利回りはなんと6.8%に達している。

 これがもし投資したのが1980年であれば、株価はなんと70倍、配当利回りは190%と、投資額の倍額に近い配当金を1年で受け取ることができたのだ(いずれも16年末時点)。

■短期変動が少ない

 アメリカの株価は、長期的に見れば安定した値動きを見せている。日経平均株価は29年前のバブル相場の水準(最高値は1989年の3万8915円)をいまだに回復していないのに対し、アメリカ株はリーマン・ショック前の高値を3年で回復した。

 ただし、投資にはリスクがつきものだ。まず、どこの国の株であっても下落局面はある。 アメリカ株の場合、値下がりリスクに加え、為替リスクが伴う点は知っておきたい。買った株が値上がりしても、対ドル円相場が円高に振れると利益が帳消しになることもある。

 こうしたリスクに対し、尾藤さんは長期で保有すれば、配当や値上がり益で吸収できる可能性は高いと言ってくれた。

「アメリカ株投資の醍醐味(だいごみ)は、長期で配当を受け取りながら、じっくり値上がりを待てる点にあります」

■グローバル株でいい

 では、具体的に何を買えばいいのだろうか。尾藤さんは、あまり難しく考える必要はないとアドバイスする。 “掘り出し物”を探そうとするよりも、優良グローバル株や長く増配を続ける株などにまっすぐ投資すればいいという。

 アメリカ株は日本の証券会社から簡単に投資できる。まず、アメリカ株を扱う証券会社で専用口座を開設しよう。インターネット専業のSBI証券やマネックス証券はアメリカ株に力を入れており、売買手数料も安い。

 SBI証券のアメリカ株口座の人気銘柄を集計すると、1位がアマゾン、2位がアップル。3位以降も見たことのある企業名が並ぶ。それほど敷居は高くないのである。(ライター・森田悦子)

※AERA増刊『老後資金が1000万円貯まる! つみたてNISAとiDeco入門』より