A:国がお金をばらまいて、いくらでも仕事があるから、そういう人でもビジネスを継続できてしまうんでしょうね……。

C:悪質なコンサルタントの見極めは難しいですよね。「地域おこし協力隊」として、地元にしっかり入り込んでいるコンサルタントであっても、助成金目当てに住みついている人も少なからずいます。さらに、一般人にも、地方創生事業を悪用しようとする人が出てきている。都内には移住相談デスクが設置されていますが、そこの担当者が「『地方に移住してやるから、仕事も探してくれ』という“経歴の汚れた人”が頻繁にやってくる」とボヤいてました。

──となると、地方創生事業の課題はどこにある?

A:受注する側には厳格に専門性、地域性、継続性を求めるべきでしょう。単発の町おこしなどはやめるべきです。例えば、観光客を呼び込むには、本来なら“インナーマーケティング”から始めなくてはなりません。地元の方に、なぜ観光客を呼び込まないといけないか?ということを理解してもらうんです。そこから始めないから、「外国人観光客のせいで渋滞が増えた」「町がゴミだらけになった」という“観光公害”が問題視されるようになってしまうんです。地元の方も一体となった町おこしプランを長い目で見て立てていくべきです。

B:その際には、民間の自立を促すプランにすべきですね。助成金はあくまで、スタートアップの資金であることを自覚すべき。自治体だけで完結する町おこしは、この先、必ず失敗するでしょう。

(構成/ジャーナリスト・田茂井治)

AERA 2018年2月19日号より抜粋