実験ではインフルエンザウイルス、ノロウイルスへの予防効果、アレルギー症状を緩和する効果なども確認。近年は同様の効果が特定の乳酸菌でも認められているが、では乳酸菌を摂取すれば納豆菌は不要なのか?

「乳酸菌は腸内に常在菌として存在する菌ですが、納豆菌は腸内にもともといるわけではない。腸は『何か違うのが入ってきたぞ』と感じるので、刺激を与えやすいと考えられます」(小林さん)

 なるほど、腸からしてみれば“転校生”的なインパクトがあるわけだ。

 ちなみに納豆1パックに入っている納豆菌は500億個前後。胞子の状態と栄養細胞の状態のものが混在し、両方とも生きたまま入った状態だという。胃に入ると、胃酸で胞子の状態以外のものは死んでしまい、胞子だけが腸まで生きて届くが、前出のウイルスに対する実験では生きている菌でも死菌でも、同等の結果が確認されている。

 かようにすごい納豆菌なのだが、納豆を作るだけでなく、意外な場面で活用されてもいる。

 コヨウ(福岡県みやま市)が開発製造するエコバイオ・ブロックは、水質浄化の目的で河川や池などに敷設されるコンクリートブロック。なんとここに納豆菌が使われている。開発者である古賀雅之会長(60)が話す。

「河川が汚れて濁っているのは、水に汚れ成分(有機物)が溶け込んだ状態です。このブロックをそこに沈めると、ブロックに埋め込まれた納豆菌が、水中で増殖する過程で、餌としてそれらの汚れ成分を取り込んで分解します。結果、魚が棲めるきれいな水に戻るんです」

 セメントペーストは強アルカリのため、微生物は生きていられないというのが定説だが、これを覆したのが納豆菌だった。

 同社が使った納豆菌群は3種類。水に浸けると素早く増殖するもの、比較的緩やかに増殖するもの、そしてカビ菌などの繁殖を抑制するものという三つだ。1キロのブロックに3種あわせて約5億個もの菌を封入している。

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