「銀行として貸す側のロジックはわかっても、事業会社側が借りるための細かいノウハウはわからない。銀行マンは決算書を読み解くのは得意ですが、事業会社の決算をきっちり締められる人は少ない」
ただ、この男性は銀行のキャリアの中で、自分の「成し遂げたいこと」を見つけていた。そこにこだわってベンチャーに転職。年収はほぼ半減したが後悔はしていない。
「今になってみれば、自分は銀行員時代、もらい過ぎていたんだなとつくづく思います。20代はポテンシャルで買ってもらえても、30歳を過ぎれば専門性を問われる。『ポテンシャルはありますけど、専門性はないです』という40歳に、普通の会社は1200万円なんて出さないですからね」
(編集部・石臥薫子)
※AERA 2018年1月22日号より抜粋