さらに迷走を深めてしまうのは、自分の市場価値を客観的に測定できずに、自己の強み・弱みを勘違いしたまま突っ走ってしまう人。何十社と応募をしても書類選考すら通過できず、失業期間だけが長引いてしまうケースもあるという。

 逆にミドルでも成功するのは、これまでのキャリアを棚卸しし、自分にとって大事なこと、やりたいこと、成し遂げたい仕事がはっきりしている人。そのために学び直せる人。再出発する時点でいったんは年収が下がることを受け入れながら、実績を高めて前職以上の年収を目指す人。いま銀行内で悶々としている人に、黒田さんはこうアドバイスする。

「営業でも財務でも自分の持っている知識・スキルに対して、外の会社だったら、いくら払えるか、自分を商品だと思って冷静に値札をつけるところから始めてみてください。いくつになっても自分の付加価値は高められると信じてほしい」

 銀行員=金融のプロという思い込みにも要注意だ。34歳の元メガバンクの男性は、法人営業でノルマの数倍の金額を達成。行内でも誰もが認めるエリートコースを歩んでいた。しかし転職活動をする中で、意外に自分に専門性がないことに気付いたと話す。

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