国税庁の発表によると、税制改正のあった15年の1年間に亡くなった約129万人のうち、相続税の課税対象は約10万3千人となり、全体の8%を占めた。全体の4.4%だった改正前の14年と比べると、課税対象者の割合が大幅に増加している。
大山氏は「15年に基礎控除額と税率を変えたばかりなので、しばらくは課税対象の数に影響するような新たな改正はないと思う」とした上で、財産目録を作ったら、相続税の課税対象になるのかどうかを、あらかじめ計算しておくことをアドバイスする。
土地を所有する場合は、路線価に面積をかければ評価額は出てくる。土壌汚染など評価減となるさまざまな要件があるが、実際の申告前の事前計算段階では、ざっくりとした評価額を出して、相続税の有無を確認するだけでも準備にはなる。もし、相続税が多額になる見通しの相続財産があり、その大部分を不動産が占めるような場合、どうやって税金を払うのかなど、生前から納税準備をすることも重要になる。(編集部・山本大輔)
※AERA 2017年12月25日号