

「コンビニ百里の道をゆく」は、40代のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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世界的なチョコレートメーカーのゴディバさんと共同開発しているスイーツが、ご好評をいただいています。今年6月から3回、四つの商品を販売してきましたが、期間も数量も限定なので、多くの店舗で入荷直後に品切れになるほどでした。
お客さまのご要望に応え、10月31日に五つ目の商品となる「キャラメルショコラ ロールケーキ」を発売します。濃厚なチョコレートとキャラメルが味わえるスペシャルなロールケーキに仕上がりました。税込み395円ですが、それ以上の「値打ち」があると考えています。
このコラボレーションが成功したのは、「ゴディバ」の世界的なブランド力はもちろん、ローソンのスイーツに対するお客さまの「信頼」があったからだと思っています。
2009年発売の「プレミアムロールケーキ」が大ヒット。その後リニューアルを重ね、味に磨きをかけてきました。並行して、シュークリーム、エクレア、プリン、大福などスイーツの開発を幅広く進めたことで、「コンビニスイーツならローソン」と認めてもらえるようになった。
今回のコラボは、その信頼の上に実現しました。「ゴディバとローソンが組むなら、すごくおいしいスイーツになるのでは」という期待感がヒットを生んだと考えています。
もしローソンのスイーツが評価されていなければ、お客さまからは「ローソンでゴディバ?!」と思われたでしょう。また、ローソンにおいしいスイーツを作るノウハウがあると認められていなければ、ゴディバさんも共同開発にイエスと言ってくれなかったかもしれません。
コツコツと作り上げてきたスイーツへの信頼が、「ゴディバ」という世界的ブランドからの信用、そしてお客さまの期待につながり、ヒット商品を生み出したのです。
商品の価値は、価格以上の「値打ち」があるかどうかで決まります。高価格のスイーツが支持されたことは、大きな自信にもなりました。
※AERA 2017年11月6日号