衆院選、激突の構図(AERA 2017年10月23日号より)
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 選挙の主役は政治家や政党ではない。常に有権者だ。ところが実際には、投票に行かなかったり、白票を投じたりして、主役の立場を放棄してしまう有権者も多い。

「政治に対する関心は、私が若かった頃と比べると、かなり落ちている」

 そう問題視するのは、元鳥取県知事で元総務相の片山善博・早稲田大学教授。

「自分が投票しても政治は変わらないと、みんなが言う。だけど、みんながそんなことを言ったら、政治が空洞化してしまう。一人一人の懸命な行動や選択が集合体になって、とてつもなく大きな力になる」

 民主党(当時)が政権交代を果たした2009年の衆院選で69.28%だった投票率は、安倍自民が政権を奪還した12年衆院選で59.32%に下がり、前回14年の衆院選では戦後最低の52.66%まで落ち込んだ。過去5回の総選挙の平均投票率は61.73%。これは二大政党しか選択肢がない米国大統領選の過去5回の平均54.92%よりもかなり高いが、複数政党の選択肢がある政権選択選挙では、フランス大統領選(過去5回、平均78.83%)、ドイツ総選挙(同、同75.06%)、英国総選挙(同、同64.14%)よりも低い水準だ。

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