かつてないほど混沌とした対立構造の中で有権者はどう思っているのか。AERA本誌は10月6、7両日、全国1千人を対象に、今回の衆院選についてインターネットで意識調査を実施した。
「今回の衆院選比例区で一番期待している党派」を聞くと、自民党は26.2%でトップだった。前回衆院選で自民党に投票したと回答したのは43.2%だったので、17ポイント落としている。次いで希望の党が11.3%、立憲民主党が5.8%、公明党が3.5%と続いた。一番多かったのが「期待している党派はない」で、46.2%だった。
希望の党に投票する考えだという、教育ベンチャー経営の男性(36)は言う。
「日本はGDPの約6割を個人消費が占めている。消費増税で個人消費支出が痛めば、景気の下振れリスクが増すと考えています。希望の党の『消費増税凍結』に賛成です」
希望の党の支持では小池百合子氏の人気が高いが、渦中の築地市場関係者の声は厳しい。
「もう最悪。人気は下がるところまで下がってます」
築地の仲卸業者の従業員らでつくる東京中央市場労働組合の中澤誠さん(52)は言う。昨年7月、都知事に当選した小池氏は11月に迫っていた築地の豊洲移転を延期。小池氏への期待は一気に高まったが、今年6月、今度は突然「築地は守る、豊洲を生かす」と宣言して、玉虫色の決着となった。
「そして今度は国政でしょう。あまりにも無責任ですよ」
いま築地関係者の間では、移転反対を貫く共産党を支持する声が広がっているという。(編集部・野村昌二、山本大輔)
※AERA 2017年10月23日号より抜粋