●ネットでセット販売も
近年では、男女問わず、職場での人間関係に悩み、訪れる人も。絵馬にはやはり実名を挙げて「一生関わることなく生きていきたい」などとある。
「人に言えない悩みを絵馬に書くことで気持ちが済むのなら、それも信仰のひとつの効果ではあると思います。ただ最近は、自分が気に入らないからといって、悪い縁、と短絡的に決めつける例も多いようです」(鳥居宮司)
神様であっても呪いであっても、まずは自分にできることを尽くすべし。
尽くした上で、いざ最後の手段として呪いに足を踏み入れるとき、現代人はどうするだろうか。まずはネットで検索するのではないか。
グーグルで「わら人形」で検索すると、真っ先にアマゾンが表示された。3千円程度で、わら人形と五寸釘、ハンマーなどのセットが販売されている。あまりのお手軽さに拍子抜けする。
さらに検索すると、「呪い代行」をうたうサービスを見つけた。その名も「日本呪術研究 呪鬼会」。
担当者によれば、30年以上前から呪術請負の実績があるという。1日に20~30件の問い合わせがあり、そのうち1~2割が実際に申し込む。コースは、呪術に使用する道具や方法、効果が出るまでの期間、さらに施行する呪術師によって、1万5千円から30万円まで。30人ほどのプロの呪術師が所属し、呪術に効果が出なければ引退、という実力主義の世界だそうだ。7割程度は効果が表れている、と同会は自信を見せる。どんな人が依頼するのか。
「いちばん多い依頼は、恋愛成就。人間は欲深いですから、効果があるとわかると、次にまた違う願いをかなえてほしくなる。何度も依頼するリピーターの方も多くいます」