ダイアナ元妃がパリで非業の死を遂げてから今年で20年。相変わらず人気は衰えない。常に比較されるキャサリン妃がダイアナ元妃に絶対負けないこととは──。
ダイアナ元妃(享年36)の没後20年の追悼記念として、元妃の住まいだったケンジントン宮殿では衣装展覧会が2月から始まった。展示された25着には、ホワイトハウスでダンスの名手、ジョン・トラボルタと踊ったイブニングドレスや「エルビス」と名づけられた香港公式訪問の際の豪華な一着などが含まれる。初日には宮殿前に長い列ができ、元妃の変わらぬ人気と関心の高さを見せつけた。
●結婚を機にタブー解禁
追悼イベントの中で特に注目されているのが、ケンジントン宮殿に建てられる元妃の像だ。これはウィリアム王子(34)とヘンリー王子(32)が中心になって計画しており、一般からの寄付を主な財源にする。母を突然に失ったとき、ウィリアム王子は15歳、ヘンリー王子は12歳だった。二人は長く母について語らなかった。王室による謀殺説が完全には消えていない状況にあって、ダイアナの名前を口にすることは王室内では一種のタブーだったのだ。
それが、ウィリアム王子はキャサリン妃(35)と結婚すると、亡き母を頻繁に登場させるようになった。まず、婚約指輪は母の形見の品だった。子どもが誕生すると、さらに元妃一色に。ジョージ王子(3)の洗礼の場所は、歴代の王位継承者にならってバッキンガム宮殿と予測されたが、実際は地味で小ぶりなセント・ジェームズ宮殿だった。そこはパリから運ばれた元妃の棺が葬儀まで安置されていた場所だ。シャーロット王女(2)が生まれると、ミドルネームに「ダイアナ」が刻みつけられた。洗礼の場所は元妃自身が洗礼を受けた教会だった。ウィリアム王子は、「母に一緒に立ち会ってもらいたかったから」と選択の理由を話し、「母のことを思い出さない日は一日もない」と言い切った。子どもたちの育児は、当然ダイアナ流を踏襲した。