さすがに、したたかなシンガポール政府で、日本の役人にはまねできません。シンガポール政府の役人には「がり勉」「成績優良」タイプはあまりいない。平たく言うと、金があって世界中で遊びまくった変なやつが役所に多数雇われているので、こういう発想に至るわけです。これぞ「ナイトタイムエコノミクス」でありまして、アベノミクスの数倍強力なのです。

 もちろん、政府の補助金が付いていますが、300億円もする妙なハコを建てて、その維持費だけで地方財政が疲弊する(青森県の再開発ビル「AugA」がいい例ですね)なんて妙なことをするよりは、宵越しの銭は持たないくらいのノリで消費してしまったほうがよほど経済の活性化につながる。そういうことが分かっているからこそ、できるわけです。

 プレミアム商品券なんて一回使ったら終わり。しかし毎週水曜日に女性がタダで飲める……という仕組みをつくればそのライフスタイルが定着して、定期的に国民がお金を使う可能性が高いわけですね。日本も国内総生産(GDP)の60%は個人消費なんですから、ここをどうにかすれば一発で経済が上向く可能性があるということに早く気がついてほしい。このLadies nightのおかげで友人のレストランはほぼ20%の売り上げ増。WHY NOT!?

AERA 2017年4月3日号

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