外資:確かに外資は、定年まで勤める人なんていないし学生もそのつもりなので、「将来どうしたい?」と聞くと、みんな正直に「起業したい」とか「早くスキルをつけて次に進みたい」って言いますよ。やっぱり、終身雇用が前提の日系企業のほうが嘘が蔓延しやすいでしょうね。
金融:僕も最初に就職したのが外資で、採用はザルでした(笑)。合わないと早い段階で自ら辞めていくし、二つくらいプロジェクトをやってそこで評価が低いと「キミ、向いてないよ。ただうちは優秀なやつしか採ってないから、他社に行けば活躍できるよ」ってクビになっちゃう。外資は雇用の流動性がすごくあるので、採用にはそこまで力を入れないですよね。
IT:いまの学生は大手志向で、定年まで働きたいというマインド。雇用の流動性を高めるのとは逆方向になってますよね。やっぱり入り口の就活だけじゃなくて、出口も合わせて仕組みを変えていかないとダメなんじゃないか。いまの学生は平均寿命が100歳くらいになって、80歳くらいまで働かないといけない。「60年間同じ会社って気持ち悪いだろう」と言いたい。
金融:60年安泰な会社なんて超レア。だから、親の言うことを聞いて、いまの時点で良さそうに見える会社に入るなんて、ダメですよ。徐々に、通年採用の会社が増えたり、大学1年でも内定を出す会社が出てきたりと採用も多様化している。受験と同じように「一斉に就活」というスタイルが崩れれば、もっと早い段階から職業意識を持つようになるでしょう。5年、10年かかるかもしれないけど、そっちに向かってほしいですね。
(構成/編集部・石臥薫子)
※AERA 2017年3月27日号