DJとして世界を股にかけて活躍する石野卓球と、いぶし銀の俳優として日本映画になくてはならない存在となったピエール瀧。2人の個性が重なり合うテクノユニット・電気グルーヴ。4年ぶりの新作リリースに合わせて話を聞いた。
──「TROPICAL LOVE」は4年ぶりの新作ですが、お2人が電気グルーヴとしてアルバムを作りたくなるタイミングは、どういうものなんでしょうか?
石野卓球(以下、石野):レコード会社から「ぼちぼち作ってほしい」って言われて作るんですけどね(笑)。ただ、ずいぶん前から「いつでもすぐに作れるよ」とは言っていたんです。
ピエール瀧(以下、瀧):最近、フェスにもよく出てますしね。「ライヴの終盤で盛り上がるような曲が欲しいね」と思うのが、次のきっかけにもなったりする。
石野:ライヴもよくやるし、最近はグループとして生きてる状態なんです。あと、うちらはレコーディングでやることは決まってるので。EDM導入とか、バラード中心とか、そういう変化はない(笑)。
●今やりたいものをやる
──とはいえ、前作「人間と動物」(2013年)では、全曲歌もので、かつ短めの楽曲でと意識されていたそうですけど、今回はまたアプローチがすこし変わってきてますよね。歌ものだけでなくナンセンスな曲やテクノ・インストなども自然と同居して、キャリアを総括したような感じもあります。
石野:特に考えていなかったですね。今やりたいものをやろうと思っただけで。こんなことを言うと、昔のかっこわるいロックバンドみたいですけど、本当にそうなんですよ。
瀧:僕は機材を持っていったり音楽的な作業をしたりするわけではないので、「じゃ、(アルバム)やりますか」となったときに、仕事っぽくなんないようにするということですね。作業みたいな感じでやると、煮詰まってしまうんですよ。
石野:煮詰まり厳禁だからね。