イスラム教において自殺は大罪で、地獄に落ちます。ただし、神のために異教徒と戦い殉教するのは、天国への一番の近道と考えられています。世界各地でイスラム国(IS)らによる「テロ」と呼ばれる事件が起きるのも、天国に行けると信じているから。しかし先日、シリアで8歳の少女が爆発装置のついたベルトを身に着けて警察署に入り、遠隔操作によって爆発しました。イスラム教の場合、第二次性徴を迎えないと成人とみなしません。女性であれば初潮を迎えたかどうか。未成年はジハード(聖戦)には出られませんし、イスラムでは男女の役割は違い、ジハードは男の仕事で、女性は家にいるのが基本。具体的状況がわからないので確定的なことはいえませんが、イスラムの教えでは、8歳の少女を使った爆弾テロは間違いです。
シリアなど中東の出来事から、イスラム教に関心を示す日本人が出てくるかもしれません。しかし、もともと日本人ムスリムは5千人から1万人といわれています。増えたとしても気づかない程度の数です。(構成/編集部・野村昌二)
※AERA 2017年1月16日号