アデランス「同じものでも表情変わる」アデランス 東京営業部(フォンテーヌ担当)販売課長 榎本真理(47)撮影/写真部・東川哲也
アデランス
「同じものでも表情変わる」

アデランス 東京営業部(フォンテーヌ担当)
販売課長 榎本真理(47)
撮影/写真部・東川哲也
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 アエラにて好評連載中の「ニッポンの課長」。

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 現場を駆けずりまわって、マネジメントもやる。部下と上司の間に立って、仕事をやりとげる。それが「課長」だ。

 あの企業の課長はどんな現場で、何に取り組んでいるのか。彼らの現場を取材をした。

 今回はアデランスの「ニッポンの課長」を紹介する。

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■アデランス 東京営業部(フォンテーヌ担当) 販売課長 榎本真理(47)

 11人の女性が同じウィッグをつけ、同じヘアスタイルでズラッと並んでもらう──それがこの記事の最初の企画だった。ウィッグのセットが完了した姿を見て、驚いた。同じウィッグなのに、それぞれ違う雰囲気になっている! その理由を榎本真理=写真先頭=に、問うと、

「顔の形や雰囲気など、その人に似合うようにウィッグをカットしたり、スタイリングを変えたりしますので」

 使ってもらったフォンテーヌのウィッグはファッショナブルなデザインで、専門のスタッフが一人ひとりに合わせて調整することにこだわる。アデランスというと男性のかつらのイメージが強いが、いま顧客の半数以上が女性。髪のボリュームを出したり、おしゃれを楽しんだり、気軽に使われる。

 榎本は高校卒業後、電気機器メーカーを経て、1989年にフォンテーヌ(現・アデランス)に入社。多摩センター三越、東武百貨店池袋店、伊勢丹新宿店など、東京の店舗で23年間、ウィッグの販売を担当した。

「髪形が変わると、女性って変わるんです。それがおもしろかった」

 顧客のウィッグを調整する間は、コミュニケーションを大事にした。どんな人との会話にも困らないように、朝はニュースや情報番組のチェックに始まり、何紙かの新聞に必ず目を通し、月に5、6冊は雑誌を買った。

 2012年、販売のチーフからエリアマネージャーとなり、翌年に現職。現在は、3人のエリアリーダーをまとめながら、都内を中心に25店舗の売り上げや、店や販売員の改善点をチェックして回る。部下も販売員も女性ばかり。いかに信頼されるかが重要だ。

「どうしても悪いところが目についてしまうことがある。でも、必ずいいところを見つけそこを生かしつつ、アドバイスするようにしています」

 女性たちの奮闘こそが、ブランドを支えている。親子3世代にウィッグを使ってもらうことが榎本の夢だ。

(文中敬称略)

※本稿登場課長の所属や年齢は掲載時のものです

(編集部・大川恵実)

AERA 2016年5月2日―9日合併号