ただ子どもを預けて働きたいという小さな望みが、なぜかなわないのか(※イメージ)
ただ子どもを預けて働きたいという小さな望みが、なぜかなわないのか(※イメージ)
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 今年も保活の結果発表で、全国の働く親たちが怒りに震えた。妊娠中から動いてもダメ、希望とは程遠い保育環境……。ただ子どもを預けて働きたいという小さな望みが、なぜかなわないのか。

 東京都大田区では今年、保活で応募者の約4割にあたる1786人が不承諾になった。区は特設サポート窓口を開設し、空いている園と不承諾者をマッチングするなど待機児童解消に動いている。しかし、親としてはどんな園でもいいわけではない。設備や保育内容が不十分な園に「通わせたい!」とは思わない。

 ブログやフェイスブックで「大田区保育園コミュニティ」を運営する代表の渡邊麻奈美さん(27)は、これほど保育園に入れない状況はおかしいと、区に異議申し立てをする準備を進めている。渡邊さんも昨年保活を経験。見学した園の特徴、通園時間などをエクセル表に打ち出し、夫と研究を重ねた。

「普通に復職したいだけなのに、こんなに労力と時間がかかるのはおかしい。育休中はもっと子どもとの時間を大切にしたい」

 いまや保活の激化は都内の激戦区に限った話ではない。茨城県に住む女性(36)は、現在週3日半日ずつ子連れ出勤し、動物看護師として働いている。今年は長男(2)を保育園に預けて、フルタイムに変更する予定だった。4月入園に向け、第10希望まで申請したのに、不承諾。

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