ま、いつでもどこでも勉強できるのがスマホの英語学習アプリのいいところ。でも、スマホに向かって「ヒーハズ! ホワット! んもー! キー!」なんてキレてる姿、とても人様には見せられない。せっかくだけど、とくに発音の悪い人が音声認識系を使う場合は、勉強する場所がかなり限られると思う。

 もうひとつ、会話系で進化を遂げていたのが、オンラインチャットやテレビ電話のような仕組みを使ったマンツーマン会話アプリだ。オンラインで外国人と格安で英語の会話ができる「レアジョブ」のようなサービスはすでに有名だが、ちょっと前までオンラインレッスン系サービスといえば、パソコン向けが中心だった。

 ところが今や、スマホひとつあればいつでもどこでも、世界のどこかにいる先生のレッスンが受けられる時代に。たとえば人気の「OKpanda ライブ英語」。ビデオチャットを使い、先生の顔を見て会話しながらのレッスンが可能。授業開始の30分前まで予約が入れられるという手軽さだが、独自のデジタル教材を使って、本気の英語学習ができるところも特徴だ。

 ちなみに、やっぱりこれも声が出るので、人目のあるところでやりにくいのがネック。予約可能の先生のなかにはイケメンもいたけど、こっちは家にいて頭ボサボサなうえノーメイク。家にいるのにばっちりメイクでキメキメなのも、かえってヘンだし。ミョーなところで逡巡した揚げ句、女性の先生に予約を入れることに。

 Siriと違って緊張感は少しアップ。ただし、同じひどい発音にもかかわらず、チャットの機能を駆使すると、けっこう通じている気がしなくもない。やっぱり人っていいなあ、と青い気持ちになっている。

(ライター・福光 恵)

AERA 2016年2月29日号より抜粋

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