
どうしても気分がのらない。やる気が出ない。誰にでもあることだろう。そんなとき、タレントのイモトアヤコさんはこうやって乗り越えてきた。
最初の「想像を絶する仕事」は2007年。巨大トカゲ「コモドドラゴン」との競走だった。体に肉の塊を結びつけた状態で、時にはイノシシやシカまで食べてしまう全長2、3メートルの「怪獣」に追いかけられた。
黒くて太い眉にセーラー服で走り回る姿がお茶の間の話題となり、人気芸人の仲間入りを果たしたイモトアヤコさん(29)。
「当初は『コモドドラゴンって何?』という感じでしたが、やってみたら面白くて、迷いがなくなりました」
以来「珍獣ハンター」と呼ばれ、これまでに訪ねた国は90カ国近くにのぼる。1年の半分以上は海外ロケで、トラやクマに接近したり、アマゾンでワニを捕まえたり。なぜいつも自分を奮い立たせることができるのか。
実は、怖くて逃げ出した経験がある。珍獣ハンターとして名前が知られ始めたころ、体にヒモをくくりつけて高いところから飛びおりる「バンジージャンプ」の仕事がやってきた。
「何時間もかけてロケ地に行き、カメラを回して2時間近く粘ったのに、どうしても飛べなかったんです」
撮影は中止。帰りのロケバスは、地獄だった。
「スタッフが『しょうがないよ』と慰めてくれて、余計に落ち込みました」