さらに女性たちは、「人脈がない転職先でマネジメントなんてイメージができない」としり込みしたり、「管理職を外から入れる会社は離職率が高くて、育成ができないのでは」と疑念を抱いたり……。

「頑張れ、はNGワード。『可能性をつぶす必要はないんじゃないの』とゆるやかに背中を押します」(インテリジェンスのキャリアコンサルタント・川嶋由美子さん)

 転職して1年後にマネジャーに昇進したという女性(33)も、そんなタイプだった。ネット銀行にアシスタントマネジャーとして採用され、入社後に「いずれマネジャーとして後進の育成に力を注いでほしい」と言われたが、内心は「断ればいいか」と受け流していた。

 業務の延長線上に「マネジャー」を考えられるようになったのは、上司から部門のリーダーがするべき仕事を少しずつ振られるようになってから。数週間前の内示でも、抵抗なく受け入れられた。彼女は言う。

「採用時点で『リーダー候補』と言われていたら断りました。経験もないし。そこまでメンタルも強くありません」

 女性にとって30代は、結婚・出産といったライフイベントが重なる時期だ。中途採用でこのことは問題にならないのか。

「女性自身がしばらくは仕事に専念したいという意思を示し、1、2年は集中してくれるだろうと判断できれば、企業は採用に踏み切るでしょう」と前出の川嶋さんは説明する。

AERA  2015年10月26日号より抜粋

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