ちなみに妻の側からは、「浮気をしてもOKだが、相手の女にお金を使うのはNG。それを私のエステ代に回せ!」(専業主婦・43歳)
「浮気相手がお金持ちの女性で、ご馳走されるなら別にいい」(パート女性・48歳)
と、割り切った声もチラホラ。夫婦の絆は、もう損得勘定だけということなのだろうか?
じつは自他共に認める仲良し夫婦の場合も、専らどちらかが管理していたり、財布が別々でどちらも家計全体を把握していなかったりという管理形態は、珍しくない。
毎年、家族4人でハワイ旅行を計画してくれる夫は、大手銀行の支店長。専業主婦の女性(44)は、全面的に夫を信用していて年収すら知らない。
「十分な生活費をもらっているらしいので、もっと必要とは言いにくい。でも食費を節約したら、いくらでも自分のお小遣いにはなる状態です(笑)」
この女性は、飲み会やランチが続き、家計がピンチのときは食費を抑えて節約。自分では貯蓄はできないタイプで、家計全体の余裕は分からないが、自分の小遣いも少しはあるので、あまり気にならないという。
「結婚当初、家事は仕事だからって義母が夫にボーナスを出すように言ってくれて。20年以上、年に2回、15万円もらっています。でもあるだけ使うから、無駄な出費が多いのかも……」(専業主婦の女性)
●家計は海外の夫まかせ
横浜市で医療事務の仕事をする女性(43)も、家計はすべて、単身赴任中の夫(47)に任せている。今年で5年目になるカナダからの遠距離家計管理だ。
さすがに「長女と長男の新学期からの塾代合計」など、海外からつかみきれない情報はメールで質問してくるが、この女性はだいたい回答を放置。
「数日後、『君が僕の部下なら即クビだよ』と怒られるんですが、『部下じゃない。妻です』と反論(笑)。結局、夫が呆れて、直接調べたりも」
ちなみにこの家庭は、妻の収入もすべて夫の口座に振り込み、妻が小遣いをもらう仕組みだが、「制されているって気は全然しません。むしろ愛されているなあと……」
と、この女性は笑う。夫の本音も「妻に頼みたいけど、苦手なら僕がやってあげる」なのだそうで、支配しようという意識はない。ただ心配もある。
「でもこれじゃあ将来、彼がいないと一人では生きていけませんよね」(医療事務の女性)
一方、家計管理を一手に引き受けていたものの、将来のために夫に「制されたい」と願う妻もいる。
9月の連休、施設に入居することになった祖母のマンションを整理したパートの女性(37)はこう話す。
「結局全部捨てないといけなかった。それで私は将来、必要なモノだけを買う生活にしようと決心。でも浪費家でお金を持っていると使ってしまう。特に服。セールがあった8月は6万円、今月も気に入れば2万円以上の服でも買ってしまっている」
そこで相談のうえ、夫に家計管理を頼むことにした。目標は無駄な出費をなくし、3人の子どもが独立後、上質でシンプルな老後の生活を築くこと。とはいえ、夫もハードワークで、管理の方法を試行錯誤中だ。
●夫婦が交代で家計管理
こうした夫婦間のお金についての相談や講演を多数受けているファイナンシャルプランナー(FP)の細田浩世さんは、夫婦がともに家計管理に関わることを強く勧める。