アップルウォッチが4月24日、日本を含む9カ国で発売される。「ヒット」は間違いない。問題は、iPhone並みに化けるかだ。
待望の時計型端末「アップルウォッチ」の話題は過熱気味だ。例えば価格帯。一番安いアルミ製本体の「アップルウォッチ・スポーツ」でも349ドル(日本では4万2800円)と決して安くない。最も高い機種は1万7千ドル(同218万円)と、米国最貧困層の「年収」を上回る。アップルのマーケティングに対する懸念から、クック氏のプレゼン中に、アップル株は値を下げた。
しかし、それは一時的なものだった。市場はアップルウォッチを多くのファンが買うという予測で一致。米調査会社ストラテジー・アナリティクスは、アップルウォッチが2015年中に1500万台売れると予測した。13年に韓国のサムスン電子が同様の端末「ギア」を発売した際は半年で50万台以下だった。
後発のアップルウォッチが、時計型端末の市場でいきなりトップシェアを獲得、リードしていくことになる。
ハイテクニュースサイト「ウバーギズモ」創設者、ウベール・ヌウェン氏は、サムスン電子や中国ファーウェイなどの端末を使ったうえでこう指摘する。
「アップルウォッチが成功するかどうかの基準は、これまでに出ている他社の時計型端末と変わらないくらい速く動くか、そして『スマートフォンを引っ張り出す面倒が劇的に少なくなる』という期待に応えられるかどうかだ。デザインについては、他社に勝ち目はない」
ヌウェン氏の懸念は、「アップルウォッチ2」「3」が出た場合、第1世代よりも「格段によくなる」と予想されることだ。
「1万7千ドルもかけて、1年後には古くなる製品を買う人がいるのか」
※AERA 2015年3月23日号より抜粋