日本は世界的に見ても物価の高い国…かと思いきや、近年はその限りでもない様子。マクドナルドのビッグマックの値段を比べてみたところ、ある国の物価上昇が見えてきた。
マクドナルドのビッグマックの値段を比べてみたい。どこの国でもビッグマックはおおよそ同じ材料と調理法で作られており、サイズもほぼ同じだ。そのため国ごとの人件費や店舗費などのコストが反映されやすい。「ビッグマック指数」という国別購買力比較の方法があるぐらいだ。
てっきり米国か英国が高値かと思い込んでいたら、ブラジルがいちばん高いことが分かった。ひとつ684円もして、日本の倍近い。一方、最もお安く食べられるのはインドで、日本の3分の2弱の値段。ただし、インドでは宗教上の理由から牛肉は使われず、ビッグマックにあたるのは、「マハラジャマック」という名のチキンバーガーだ。
ビッグマックで見られたように、ブラジルの物価はかなり高い。サッカーW杯を経て、2016年にはリオ五輪も控えるだけあって世界から投資が集まっているからだろうか。
リオデジャネイロ市内の不動産価格は08年と比べると平均上昇率は500%に。世界三大美港に数えられるリオの海岸沿いには、10億円を超すマンションがざらだという。
「10億円といえばフランスでお城が購入できる値段ですが、なかなか空き物件が見つからないほど売れている。W杯効果もあるでしょうが、長年のインフレが大きい」(藤井勇人さん)
電車の初乗りや日刊紙など日常生活のコストも日本とそれほど変わらない。「物価の安い国」というブラジルへのイメージを改めるときが来ているのだろう。
※AERA 2015年1月19日号より抜粋