プリンタの頭上には、識別用に「すしネタ」を使ったパネル。グーグルのサイトで使われたロゴのバリエーションなども、壁に貼られている(撮影/高井正彦)
プリンタの頭上には、識別用に「すしネタ」を使ったパネル。グーグルのサイトで使われたロゴのバリエーションなども、壁に貼られている(撮影/高井正彦)

 世界のエリートエンジニアが集う企業・グーグル。その東京オフィスに通ってみると、ユニークな風景が見えてきた。

 天井からぶら下がるパネルには、「鮑(あわび)」の文字。別のパネルには、「蛸(たこ)」の文字も見える。ご丁寧に、ローマ字で読みまで振られたそのパネルの直下には、プリンタが置かれていた。

 オフィスに似つかわしくない「すしネタ」は、実はグーグルの東京オフィスで使われているネットワークプリンタの愛称。ネットワーク上のプリンタを識別するために、多くの職場ではおそらく「プリンタ1」「プリンタ2」といった名前を使っているはずだ。

 プリンタやコピー機は、急いでいるときに限って用紙が切れたり紙詰まりを起こしたり。些細なことなのにストレスを感じてしまうことも少なくないが、グーグルのオフィスなら、やりとりはこうなる。

「蛸が紙詰まりしました!」「鮑から出してくださーい」

 肩の力が、抜ける。このネーミングは、社員からの発案。世界を揺るがし続ける「テクノロジーの巨人」が見せた、ほほ笑ましい一面だ。

AERA 2014年12月15日号より抜粋