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data:image/s3,"s3://crabby-images/77859/77859c6570c80e05a150e8f233071e24981901ad" alt="千葉工大のキャンパスが入る階には、スカイツリーを望めるドームガーデンがある。来場者を案内していた学生も、ガーデンでしばしリラックス(撮影/写真部・大嶋千尋)
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横ばいだった若者の数が2018年からいよいよ減り始める。勝ち残るために頭を悩ます大学の秘策とは。
これまで横ばいだった日本の18歳人口は2018年からいよいよ減少する。このいわゆる「2018年問題」は、各大学にとって深刻な課題だ。受験率の上昇を考慮しても、受験人口は24年までに5万人減少する見込み。
そんな中、大学の生き残り策のひとつが、キャンパスの都心回帰だ。かつて、バブル期などに郊外にキャンパスを移した大学が今、一斉に都市部に集約を図っている。話題性に加え、大学のブランド力アップにもつながるし、経済的、時間的に余裕のない世代にとって、アクセスのよさは大学選びの重要なファクターになるからだ。
そのひとつが、千葉工業大学の「東京スカイツリータウンキャンパス」。本キャンパスは千葉の習志野市にあるが、12年5月、東京のホットスポット、スカイツリータウン内に新キャンパスを開設した(東京都墨田区)。大学で開発した最先端の研究成果を展示、発表する場として広く一般にも開放される。
「特に子どもたちに、最新の科学技術に触れて楽しさを味わってもらいたい。ここをきっかけに理系を目指す人材の裾野が広がり、本学を志す生徒が増えてくれれば」(藤井正温館長)
80人以上収容できる教室も併設されており、公開講座や、実験教室が開催される。来年度から入試会場としても使用する予定。休日には学生が来場者を案内したり、実験教室の手伝いをしたりすることも。
「お客様と触れ合うことで、コミュニケーションの向上に役立つ。場所柄外国人も多く、英会話の必要性を痛感するなど、刺激を受けています」(藤井館長)
※AERA 2014年10月13日号より抜粋
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