子どもの受験に際して、働く母親が十分なフォローをするのはなかなか難しい。専業主婦のようにとはいかない代わりに、働いているからこそ活かせる能力もある。

 夕方になると、生徒の名前が付箋で貼られた弁当が、塾の受付に並ぶ。「家族と同じ温かい食事を食べさせてあげたい」との思いで、塾の休憩時間前に母親たちが届けたものだ。 中学受験で合格を勝ち取った専業主婦の子どもへのフォローは手厚く、まねできないという声も多い。働く親は、どれほど勉強に関わり、子どもに尽くせばいいのだろうか?

 東京都中央区のメーカーに勤務する女性(42)の長女は、第1希望の晃華学園中学(東京都調布市)に昨春、合格した。

 塾には弁当が必要だったため、出勤前の朝、おかずを詰めた弁当を冷蔵庫に用意。長女は、そのおかずをレンジで温め、ごはんだけ自分で詰めて塾へ。3歳下の弟の習い事もある週末の模試の送迎は、働くママ友同士で分担するなどの工夫をした。

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