「13年末に中国のGDP(国内総生産)の8割を超えた可能性がある」

 日本円で実に800兆円近い額だ。その多くが石炭産業のように、銀行から融資を満足に受けられないようなリスクの高い投融資に向かった可能性がある。呂梁市のような事例は「氷山の一角」というのが大方の見方で、今後もデフォルト危機が続くのでは、という不安が広がる。

 もっとも、山西振富へ投資した理財商品は、名前の公表されない「第三者の投資家」が突然あらわれ、元本すべてと利息の一部の支払いに応じ、デフォルトを崖っぷちで免れた。ほとんど無価値になった事業に投資するとは、いったいどういうことなのか。金融業界関係者が解説する構図はこうだ。

 もともと商品は、中国工商銀行の発案で設計された。表向き工商銀行は、ただの販売窓口なので、デフォルトしても法律上の支払い義務はない。しかし、銀行の信用は大きく損ねる。そこで第三者のスポンサーを仕立て、その資金を銀行が融通する形で事実上、救済した──。

 さらに背後には、市場の動揺を恐れる政府がいるとみられている。だから、元利払いの延期を続けている山西聯盛の場合も、「最終的には政府が救済する」という噂が絶えない。

AERA  2014年3月10日号より抜粋

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