ナンバー2処刑の裏には「金正恩の裏資金」発覚の犯人探しがあった──。
「暴力的、かつ誇大妄想的独裁者」正恩氏は、またも核とミサイルに走るか。(編集部 小北清人)
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処刑された張成澤(チャンソンテク)氏の手による「エンマ帳」が、どこかに隠されているとの噂がある。
金正恩(キムジョンウン)第1書記(30)の叔父で正恩体制ナンバーツーと呼ばれていたのが一転、「体制転覆を計画した国家反逆者」と断罪、12月12日に処刑されたあの張氏のことである。
ロイヤルファミリーの一員として約40年間、金正日(キムジョンイル)、金正恩父子の側近として権力中枢にいた張氏。その彼が、北朝鮮中枢のからむ様々な謎や事件の真相を個人的につづった備忘録が存在するというのだ。
本当に実在するなら、正恩氏を筆頭に、彼を手にかけた面々にとっては何としても回収したい代物だろう。「知りすぎた男」張氏は外貨稼ぎ機関の責任者を長く務め、金正恩時代では正恩氏の「裏資金」を深く知る立場にいた。
逮捕わずか4日後に処刑したのも「生かしておくと、王朝のカネの問題がいつ本人や部下の口から飛び出すかわからない」と恐れたためか──。