「彼女がOKしなければ、いくら金正恩氏でも張氏に手をかけることはできなかった」
彼女とは、張氏の妻で故・金正日氏の妹でもある「女帝」金慶喜(キムギョンヒ)書記のことだ。張氏とともに、甥の正恩氏を支える後見人と呼ばれてきた。北に詳しい在日関係者は、
「彼女のゴーサインで張氏の運命は決まった。彼はロイヤルファミリーの一員でなく、ただの張氏になってしまった」
その慶喜氏、この9月初めから動静が途絶えている。糖尿病や心臓病を長年患い、病状は深刻といわれる。慶喜氏について、かつて張氏のもとで工作活動に従事、張氏夫婦を知るA氏は話す。
「自分はいつ死ぬかわからない。張氏の力がこのまま強まれば、自分の死後、金王朝は張氏に乗っ取られる。そんな恐怖心を彼女は抱いたのだ。金王朝のためには夫も葬る。金王朝直系の女帝として王朝を守る決意を固めたのだ」
※AERA 2013年12月23日号より抜粋